映画『GANTZ』(ガンツ)内容解説 最後の結末は?漫画との違い 西くんやレイカについても
映画『ガンツ』の内容について解説していきます。最後の結末などの記載もありますので、ネタバレ注意です。ネタバレしたくない方は、読まないようにしてください。また、漫画と映画の違いや西くん、レイカといったキャラクターについても言及しています。
映画『ガンツ』は死後の世界や謎めいた存在「ガンツ」のもとで繰り広げられるスリリングな物語。映画の見どころや原作との違い、主要キャラクターの他、密かに注目される西くんやレイカについて、さらに音楽や監督のこだわり、配信状況などについても解説していきます。
※ただし、フル3DCGアニメ映画『GANTZ:O』については、『GANTZ』『GANTZ: PERFECT ANSWER』とは流れが異なる別作品のため、ここでは言及しておりません。
目次
映画『GANTZ』について
映画『GANTZ』は、雑誌『週刊ヤングジャンプ』に掲載されていた奥浩哉氏による漫画『GANTZ』を原作とし、2011年1月29日に公開された日本のSFアクション映画です。
その前の2004年にはテレビアニメ化もされています。
映画は前編と後編の2本構成となっており、前編が『GANTZ』、後編が2011年4月23日公開の『GANTZ PERFECT ANSWER』(ガンツ・パーフェクトアンサー)の全2部作となっています。ちなみに、映画は少し過激なシーンもあるため、PG12指定を受けました。
映画『GANTZ』のストーリー展開
映画版『ガンツ』では、原作の膨大なエピソードを2部構成に凝縮し、映画独自の要素が少し加えられて作られています。特に登場人物は、漫画と比べるとかなり割愛されています。特に後編『GANTZ: PERFECT ANSWER』では、原作とは異なる結末が描かれています。
映画では物語のスピード感を優先し、原作の複雑な心理描写やサブプロットを削ぎ落としながら、シンプルで分かりやすい展開に仕上げてあります。
原作では描かれるキャラクター同士の繊細な関係や、ミッションの詳細なルールについては、映画では簡略化されており、映画独自の結末が設定されています。
このため、映画を観ることで、原作を知らない観客にも物語を理解しやすい形で楽しめる一方、原作ファンにとっては新たな視点で作品を楽しむきっかけになります。
映画で『GANTZ』に興味を持たれた方は、漫画の方も是非夜生んでみていただきたいと思います。漫画の方は少し男性向けのサービスも多いです(笑)。
映画『GANTZ』のキャラクター
映画『ガンツ』では、キャストの演技力によるキャラクターの感情表現が際立っています。特に二宮和也さん演じる玄野計と松山ケンイチさん演じる加藤勝は、原作の持つ魅力を忠実に再現しつつ、映画ならではの演技でキャラクターに新しい命を吹き込んでいます。
二宮和也さんの演技に関しては、とあるインタビューでも夏菜さんが絶賛されていました。
また、映画版では、登場キャラクターの背景や動機に対する描写が簡略化されていますが、その分、物語のテンポが良く、映画としてのエンターテインメント性は向上しています。
映画『GANTZ』を彩る魅力的なキャスト陣
ではここで、映画『GANTZ』に登場する主なキャストをご紹介します。
二宮和也(玄野計)
『GANTZ』の主人公。都内の大学に通う大学4年生で就活中(原作では高1の16歳)。大学では目立たない存在だが、子供の頃は幼馴染の加藤を助けるなどして、加藤にとっては憧れの存在だった。小学生以来の再開した加藤と共に電車に轢かれガンツに召喚される。
主人公の玄野計を演じる嵐の二宮和也さんは、玄野計の内向的で他者に対した少し冷めた性格から、物語の中で成長する様を見事に演じられています。
松山ケンイチ(加藤勝)
玄野とは小学校時代の同級生。小学生の弟・歩(あゆむ)と2人暮らし。酒に酔っては毎日歩を殴る父親を殺害し、少年院送りになった過去を持つが、正義感が強く他人思いの優しい性格の持ち主。
地下鉄で線路に落ちた酔っ払いを助けようとして玄野とともに電車に轢かれガンツに召喚される。
吉高由里子(小島多恵)
玄野に想いを寄せる大学の同級生。玄野をモデルにした漫画を描いている。玄野を支えつつも、後編ではミッションのターゲットとされ命を狙われることに。
本郷奏多(西丈一郎)
玄野たちよりも前からガンツの世界におり、様々な経験をしている高校生(原作では中学生)。端正な顔立ちながら冷酷な性格で、仲間をおとりに敵と戦う姑息な戦法を取り生き延びてきた。常に他人を見下しつつも、ガンツに関する知識は誰よりも豊富。
夏菜(岸本恵)
彼氏の浮気から風呂場で軽い気持ちでリストカットしたのが原因で、死亡してしまいガンツに召喚。召喚先のガンツで加藤に優しくされ、以降、加藤に対して好意を抱く。ナイスボディで美人。
田口トモロヲ(鈴木良一)
会社をリストラされたサラリーマン。自動車事故にあい死亡し、ガンツに召喚。玄野と加藤を信頼して共に戦う。
白石隼也(桜井弘)
おこりんぼう星人ミッションのときにGANTZに召喚される。心優しい青年で、玄野や鈴木と共に前編で生き残った3人のうちの1人。彼女のひとみの安否を心配し会いたがっている。
千阪健介(加藤歩)
加藤の弟。加藤の死後、玄野や多恵の世話になる。料理が得意で兄思い。
ここからは後編『GANTZ PERFECT ANSWER』から登場。
伊藤歩(鮎川映莉子)
ガンツに再び召喚された元雑誌モデルで国民的女優。突然休業するも、この時に死亡しガンツの世界に。GANTZでの記憶が戻らないままガンツに操られる。原作には存在しないキャラクター。
山田孝之(重田正光)
GANTZの謎に気づき、その正体を追う公安刑事。原作には存在しないキャラクター。
戸田菜穂(北倉玲子)
重田の同僚刑事。原作には存在しないキャラクター。
若葉竜也(高橋光輝)
憎めないヒモ。ガンツメンバー内では対立するも小島多恵を守ろうとする。実は前編ラストにも登場している。
綾野剛(黒服・壹)
黒服星人のリーダー。
映画「ガンツ」の解説
ここからは、映画「ガンツ」にういてもう少し細かく解説していきます。
死後の世界とガンツの謎
映画『ガンツ』では、死後の世界で展開される謎めいたストーリーが物語の中心となっています。謎の黒い球体「ガンツ」に召喚された人々は、生還を賭けて星人(エイリアン)?との戦いに挑みます。
この設定自体がなかなかシュールでありつつも、哲学的な問いを投げかけます。そのため観客は『死後の世界』について、いつしか考えさせられる内容となっています。
映画版では、原作よりもミッションの内容が視覚的にわかりやすく描かれています。そのため、ガンツの背後にある大きな謎がすべて解明されるわけではありませんが、その未解明の部分が観客の想像力をかき立て、議論を呼ぶ一因にもなっています。
ちなみにガンツはロボコンに登場するガンツ先生からヒントを得たそうで、そのためロボコンたちが採点される際のシチュエーションをパロっていると言われています。
より詳しくGANTZの世界を知りたい人は、ぜひ原作である漫画の方も読んでみることをおすすめします。
映画『ガンツ』の結末と原作との違い
実は映画のGANTZと原作やアニメのGANTZとでは、色々と違いがあります。それらについて見ていきましょう。
映画の結末(ネタバレ注意!)
実は映画版『ガンツ』の結末は、原作漫画とは異なる展開を迎えます。特に後編『GANTZ: PERFECT ANSWER』は、映画独自の物語が展開されており、、原作では描かれなかったキャラクターの選択や結末が際立っています。
基本的には主人公の玄野計がミッションを通じて成長し、仲間たちとの絆を深めていく過程が描かれていますが、その中で玄野がくだす決断や最終的な行動は、原作とは異なるものです。しかしこの映画版ならではの結末も観る者の心に深い余韻を残すものに仕上がっています。
結末に関しては、原作ファンにとっては驚きと共に、新鮮さを感じさるのではないかと思います。
原作との違いについて
原作の方では物語は複雑で長期的なストーリーとして描かれています。そのため、多くの登場人物と彼らのバックストーリーとがより細かく絡み合っています。
一方、映画の方ではそれらが簡略化され、短時間で観客に内容を理解できるよう再構成されています。2時間程度に収める映画の性質上、ここは仕方のないものでもあると言えます。
また、実写化に伴い、漫画では表現できることが実写では難しい部分もあります。特に限られた予算と日本の技術の場合は、かなり制限を受けると言わざるを得ません。原作ファンからは少し辛めの評価を受けることが多いようですが、とはいえエンターテインメント性を重視し、GANTZの世界観を十分に楽しめる作品に仕上がっていると思います。
西くんとレイカの役割
サブキャラの中でも人気の高いのが西くんとレイカでしょう。映画内でのこの二人について少し言及しておきましょう。
西くんの冷酷さ
GANTZに詳しい西丈一郎は、映画と原作とでは少し異なる印象を残します。映画では、彼の冷酷な行動がミッション中の緊張感を高める役割を果たしています。
しかし、原作では彼の背景や心理描写がもっと詳しく描かれており、彼の行動の理由が明らかにされます。彼が抱える孤独感やトラウマに触れることで、単なる冷酷なキャラクター以上の存在感を放ち、そこが気になる存在にしているのだと思われます。
レイカはどこで登場する?
GANTZの映画では、気になるのキャラクターとしてレイカに付いて検索されることが多いようです。しかしレイカは、映画『GANTZ』『GANTZ: PERFECT ANSWER』には登場しません。
レイカが登場するのは、フル3DCGアニメ映画『GANTZ:O』です。つまり、実写版レイカは存在しないのです。
この『GANTZ:O』は、最初の2本の映画『GANTZ』『GANTZ: PERFECT ANSWER』とキャストが大きく異なります。ちなみに、『GANTZ:O』に登場するレイカは、アイドルとしての華やかさと戦士としての強さを兼ね備えたキャラクターで、声優は早見沙織さんが担当しています。
映画『GANTZ』はどこで視聴できるの?
映画『ガンツ』は現在、アマゾンプライムビデオで配信中です。アマゾンプライムでは、映画版だけでなく関連するアニメやシリーズ作品も視聴可能です。これにより、映画では描かれなかったエピソードやキャラクターの背景をさらに楽しむことができます。
わたしもAmazonプライム会員なので、追加料金なしで視聴しました。
映画『GANTZ』の音楽
映画『GANTZ』『GANTZ: PERFECT ANSWER』共に音楽は川井憲次さんが担当されています。
ちなみに、川井憲次さんは劇伴や映画音楽を中心とした柵渠効果・編曲家で、代表作に『機動警察パトレイバー』や『攻殻機動隊』の劇場版の映画音楽があります。
『GANTZ』『GANTZ: PERFECT ANSWER』それぞれの映画のサントラも発売されていますので、気になる方はチェックしてみてください。
まとめ
映画『ガンツ』は、原作ファンだけでなく、映画初見の観客にも楽しめる作品となっています。ただし、原作とはキャラクターの年齢設定の違いやストーリーの結末などもの違いもあります。そのあたりを比較しながら観るのも、新たな発見やまた別の感動などもあり、なかなか楽しいと思います。
アマゾンプライムビデオを活用すれば、映画『GANTZ』視聴でき、独特な世界観を楽しむことができます。この世界観にハマったなら、ぜひ原作の漫画の方も読んでみることをおすすめします。
ちなみに、テレビアニメ版の『ガンツ』は、原作漫画に忠実に作られていますので、漫画を読まずとも原作に近いものを味わうことができるでしょう。