ChatGPTでSTP分析!簡単にポジショニングマップまで作成 無料エクセルテンプレートあり
※この記事には広告が含まれています。
マーケティング戦略を立てるうえで欠かせないのが「STP分析」。しかし「難しそう」「時間がかかりそう」と感じて手を付けにくい方も多いのではないでしょうか。そこで注目したいのが ChatGPTを活用したSTP分析 です。ChatGPTを使えば、市場のセグメンテーションからターゲット選定、ポジショニングマップの作成まで、短時間で分かりやすく進められます。
本記事では、初心者でも取り組めるよう実例をあげながら、ChatGPTを使った「簡単にできるSTP分析」の方法をご紹介します。STP分析時に役立つ無料のワークシート(エクセルのテンプレート)もダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
ChatGPTを用いたSTP分析の基本
STP分析とは?その重要性を理解する
STP分析は、マーケティング戦略を考える上で欠かせない基本フレームワークであり、現代マーケティングの大家フィリップ・コトラーによって提唱されたものです。STPは 「セグメンテーション(Segmentation):市場の細分化」「ターゲティング(Targeting):狙う市場の決定」「ポジショニング(Positioning)自社の立ち位置の明確化:」の3つの頭文字から取られえいます。
すぬあわち、市場をいくつかのセグメントに分け、その中から最適なターゲット顧客を選び出し、競合との差別化を図るポジションを確立することで、自社の強みを活かした効果的なマーケティング戦略を構築しよう!というのがSTP分析の目的です。
マーケティングにおいては顧客を正しく理解し、自社が勝てるポジションを見つけるための必須手法とされています。特に競合が多い市場では、誰に向けて、どんな価値を提供するかを明確にすることで、効果的な戦略立案が可能となるのです。
ChatGPTを活用してSTP分析を簡単に
マーケティングにおいてSTP分析が役立つことはわかったとして、ではどうやって分析するかというと、これがなかなか難しいです。
そこでSTP分析にChatGPTを活用してみようと思いつきました。そうすることで、アイデアのブレスト、顧客像の整理、さらには競合との比較までが短時間で、かつ一人で行うことができるだろうというわけです。
では、早速実践してみましょう!
ChatGPTとSTP分析の各要素を深掘り
まずはChatGPTにSTP分析の概要を聞いてみた
自分のビジネスについてのSTP分析をまとめるにあたり、以下のプロンプトを入力して、まずはChatGPTにSTP分析の概要を聞いてみました。
中小企業が成果を上げるために、ニッチな市場を攻めようと思っています。
さらには、そのニッチを掘り下げたサブニッチを攻めようと考えています。
そのためには、ポジショニングを築く必要があると思うのですが、そのポジショニングを築くに当たり、フィリップ・コトラーのSTPという考えを導入しようと思います。
STPとは
- Segmentation(セグメンテーション)
- Targeting(ターゲティング)
- Positioning(ポジショニング)
の順に考えていく方法です。
それぞれの方法について、詳しく教えてください。
ChatGPTのSTP分析のやり方の解説が非常にわかりやすかった!
このプロンプトに対してのChatGPTの回答がこちら。
いいですね。フィリップ・コトラーのSTPは、ニッチ戦略やサブニッチ戦略を行う上で非常に有効なフレームワークです。順番に整理してみましょう。
1. Segmentation(セグメンテーション:市場の細分化)
市場を「同質的なニーズや特性を持つ顧客群」に分けるステップです。
大きな市場をそのまま狙うのではなく、小さな「塊」に分けて考えることで、自社の強みが発揮しやすい部分を見つけます。
代表的な切り口
人口統計的要因:年齢、性別、職業、所得、学歴など
地理的要因:地域、都市規模、気候、生活圏
心理的要因:価値観、ライフスタイル、パーソナリティ
行動的要因:購買頻度、使用シーン、ブランド忠誠度、課題や欲求の種類
ニッチを狙うなら「心理的・行動的要因」での切り口が効果的です。たとえば「地方都市に住む、自然派志向で、少人数でのアウトドアを好む層」など。
2. Targeting(ターゲティング:狙う市場の選定)
細分化した市場の中から、自社が最も成果を上げやすいセグメントを選びます。
評価の基準
市場規模と成長性:十分な人数・将来性があるか
収益性:価格を受け入れてもらえるか
到達可能性:広告や営業で効果的にアプローチできるか
自社適合性:自社の強みやリソースと合っているか
競合状況:競合が強すぎないか、差別化の余地はあるか
サブニッチを攻める場合は「小さいけれど熱量が高く、既存のプレイヤーが軽視している層」を選ぶのが王道です。
3. Positioning(ポジショニング:市場における立ち位置の確立)
選んだターゲットに対して、「自社がどんな価値を提供し、どんなポジションを取るか」を明確化するステップです。
考え方
顧客ベース:「顧客にとってどんな問題を解決するのか?」
差別化ベース:「他社と比べて何が違うのか?」「なぜ自社を選ぶべきか?」
感情ベース:「どんな印象・ストーリーで記憶されたいか?」
具体的な手法
ポジショニングマップを作る(例:価格軸 × 品質軸、利便性軸 × 信頼性軸)
タグラインや一言で表せるメッセージをつくる
例:「都会のビジネスマン向け、持ち歩けるプロテインカフェ」など
ニッチを深掘りする場合は、「小さな市場で唯一無二のポジション」を築くことが重要です。大手が真似しにくい専門性や情熱を見せるのが有効です。
まとめ
セグメンテーションで市場を切り分け、
ターゲティングで自社に合う層を選び、
ポジショニングで「その層に選ばれる理由」を明確にする。
これがSTPの流れであり、ニッチ戦略を成功させるための基盤になります。
STP戦略ワークシートの作成
実際に活用するためにSTP戦略ワークシートをChatGPTで作成
前文の返答の最後に、
ご希望があれば、実際に 「あなたのビジネス領域」でセグメンテーション → ターゲティング → ポジショニングを具体的に設計するワークシート を一緒に作ってみますか?
とあったので、
一言「お願いします」と入力。すると、
承知しました。それでは STPを実際に使うためのワークシート形式 をご用意します。これに沿って記入すれば、自然と「自分のビジネスに合ったセグメンテーション → ターゲティング → ポジショニング」が整理できるようになります。
STP戦略ワークシート
1. Segmentation(市場の細分化)
自社が狙える市場を切り分けます。
下記に当てはめて考えてみてください。
人口統計的要因(Demographic)
例:年齢、性別、職業、所得、家族構成、学歴
→ (記入欄)
地理的要因(Geographic)
例:都市/地方、国内/海外、エリア特性
→ (記入欄)
心理的要因(Psychographic)
例:価値観、ライフスタイル、趣味、こだわり
→ (記入欄)
行動的要因(Behavioral)
例:購買頻度、利用シーン、課題、欲求、ブランドへの態度
→ (記入欄)
ここで複数の候補セグメントをリストアップしましょう。
2. Targeting(ターゲティング)
セグメント候補を絞り込みます。
以下の評価軸で考えてください。
市場規模・成長性:十分に大きく、成長余地があるか?
収益性:利益が見込めるか?
到達可能性:効果的にリーチできるか?
自社適合性:自社の強み・資源に合っているか?
競合状況:競合は強すぎないか?差別化余地はあるか?
上記を踏まえて「最も狙うべきセグメント」を一つ(または二つ)選定してください。
→ (記入欄)
3. Positioning(ポジショニング)
ターゲット市場に対して、自社の立ち位置を明確化します。
顧客課題:顧客が抱える具体的な問題は何か?
→ (記入欄)
提供価値(ベネフィット):自社が解決する方法/強みは何か?
→ (記入欄)
競合との差別化要素:他にはない特長・強みは?
→ (記入欄)
ブランドイメージ/一言で表すメッセージ:
例:「~といえば○○社」と言われる短いフレーズ
→ (記入欄)
ポジショニングマップ(例)
軸1:価格(高い/低い)
軸2:専門性(一般的/特化型)
→ 自社と競合をプロットしてみる
最後に、このワークシートを埋めることで、
「どの市場を狙い、どのようにポジショニングするか」が明文化できます。
といった質問形式のワークシートを作成してくれました。おぉ!
STP戦略ワークシートをExcelのテンプレート化
回答例まで入ったとても優れたワークシートを作ってくれたのですが、文章だといかんせんわかりにくい部分もあります。
ましてや、これを他の人にも使ってもらおうとすると、さすがに「ちょっと…」ということで、ChatGPTにこのワークシートをエクセルファイルにまとめてもらいました。
それがこちら。
ちなみに、ブランクのシートと回答例が入ったものも作ってもらいました。
ダウンロードできるようにしたので、よかったら使ってください^^。
>STP分析用Excel版ワークシート(無料)のダウンロードはこちら
STPワークシートの埋め方ガイドで補完
ここまででExcelのSTPワークシートの入力例を参考にすれば、「なんとなく自社のSTP分析は見えてきたかな」というところまで来れたかと思います。
ただ、いまひとつ自身がない。もう少ししっかりとSTP分析したい!ということで、より詳しい「STPワークシート埋め方ガイド」をChatGPTに作ってもらいました。
それがこちら。
STPワークシート埋め方ガイド
1. Segmentation(市場の細分化)
大きな市場を「小さな塊」に分けるステップです。
人口統計的要因
例:
・年齢:30~40代
・性別:男性中心
・職業:IT企業の営業職
・年収:500~700万円
書き方:なるべく数字や職業名を入れて「人物像」を具体化する。
地理的要因
例:
・都市部に住んで地方出身
・関東圏、首都圏通勤圏内
書き方:地域や生活圏を「実際に広告・営業できる範囲」で絞る。
心理的要因
例:
・健康志向、サステナブル志向
・「時短」に価値を感じる
書き方:価値観やライフスタイルの「こだわり」を洗い出す。
行動的要因
例:
・月2回以上オンライン購入
・SNSで口コミを参考にする
書き方:「どんなシーンで」「どのくらいの頻度」で購買するかを描く。
2. Targeting(狙う市場の選定)
細分化したセグメントから「最も勝てる場所」を選ぶステップ。
評価基準として:
市場規模:小さすぎず、継続的に売上が見込めるか
収益性:単価や継続率は十分か
到達可能性:広告・営業・SNSで効率よく届くか
自社適合性:自社の強み(例:技術・ネットワーク)と合っているか
競合状況:競合は強い?差別化余地はある?
書き方:
「都市部在住の30?40代共働き家庭(健康・自然志向、食にこだわりあり)」のように、ターゲットを一文で表す と明確になります。
3. Positioning(ポジショニング)
選んだターゲットに「どう認識されたいか」を決めるステップ。
顧客課題
顧客が「今困っていること」を書く
例:忙しくて食事に気を使えない
提供価値(ベネフィット)
それを「どう解決できるか」を書く
例:簡単に調理できるオーガニック宅配食材
競合との差別化要素
「他社にない強み」を一言で
例:大手にはない地域密着の生産者ネットワーク
ブランドイメージ/メッセージ
顧客の頭に残る一言をつくる
例:「忙しい家庭のための健康サポーター」
ポジショニングマップ
縦軸・横軸を決め、自社と競合を配置
例:縦=価格(高い~低い)、横=専門性(一般~特化)
→ グラフ化すると自分の立ち位置が一目でわかる。
こちらの「STPワークシート埋め方ガイド」を見みながらだと、より自分の事業を客観的にイメージしながら書き出せると思います。
更にExcelの見本付き版を見て、自分の事業に不足しているイメージがないかをチェックし、最後にExcelの空欄のワークシートに自分の事業イメージを当てはめていってください。
最後に競合他社と比較したポジショニングマップを作る
STPワークシートとChatGPTで競合他社を含むポジショニングマップの作成
STPワークシートのサンプルとSTPワークシート埋め方ガイドを活用し、自分の事業イメージからSegmentation(セグメンテーション)⇒Targeting(ターゲティング)⇒Positioning(ポジショニング)と整理できたら、競合他社と比較したポジショニングマップを作成し、より深く自分のポジションを把握しておきましょう。
このポジショニングマップを作るには、完成したExcelのSTPワークシートをChatGPTに読み込ませ、「競合他社も含めたポジショニングマップを作ってください」と入力すればOK。
ただし、1つ注意点があります。
できあがった「競合他社も含めたポジショニングマップ」は、文字化けしていることが多いです。
というのも、ChatGPTは日本語フォントを含んだ画像作成が苦手なのです。これを避けるために、先に日本語フォントをChatGPTに読み込ませるといった方法もあるようですが、私の方ではこの方法でもうまくいったことがありません。
ただ、ここまで自分で自分の事業イメージについて考えてきたので、文字化けしたポジショニングマップを見ても、なんとなく競合他社とのポジションの違いがわかると思います(笑)。
超簡略化したChatGPTを使ったSTP分析方法
これまで説明した流れでSTP分析を行えば、かなり自社のポジショニング戦略が明確になったかと思います。
でも、これでも、「面倒くさい」「もっと簡単にできないの?」という方のために、ざっくりとしたものになりますが、超簡単な方法もご紹介しておきましょう。
例を参考に、以下の3つの質問に対しての回答をChatGPTに投げて、「STP分析して」とプロンプトに打ち込むだけです。
1.事業分野は何でしょうか?
(例:飲食、ITサービス、教育、地域ビジネス、ECなど)
2.狙いたいニッチ市場や「すでに考えているアイデア」があれば教えてください。
(例:健康志向の食品宅配、シニア向けの趣味サービス、地域特化の不動産など)
3.あなたの強みや特徴は何でしょうか?
(例:技術力、デザイン力、地域の人脈、スピード感、低コスト、こだわりの品質など)
各設問にはできるだけ質問には丁寧に答えましょう。それくらいの手間は惜しまないでくださいね。
これだけでも、なかなか素敵なSTP分析を行ってくれますよ。お試しあれ!
まとめ
STP分析は、一見すると複雑で専門的に感じられますが、ChatGPTを活用することで誰でも短時間で取り組める実用的なフレームワークになります。市場を細かく分け、ターゲットを明確にし、自社の立ち位置を整理する流れを、AIと一緒に進めることで「考えるきっかけ」や「見落としがちな視点」を得られるのが大きなメリットです。
また、記事内で紹介したExcelのワークシートや埋め方ガイドを活用すれば、分析を視覚的かつ体系的に整理できるので、より実務に落とし込みやすくなります。さらに、ポジショニングマップを作成することで、自社と競合の違いが一目で理解でき、戦略立案の精度が高まるでしょう。
「難しい」と敬遠されがちなSTP分析も、ChatGPTを取り入れることで気軽に始められます。本記事を参考に、自社の強みを最大限に発揮できるポジションを明確にし、効果的なマーケティング戦略を実践してみてください。