「意に染まない」の意味は?『騎士団長殺し』での利用箇所と使われた意図

 

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村上春樹「騎士団長殺し」の文中で使われた「意に染まない」が気になる

2017年に発行された村上春樹の14作目となる小説「騎士団長殺し」。第1部は「顕れるイデア編」、そして第2部は「遷ろうメタファー編」と全2巻から構成されています。発売当時、初版部数が2巻合わせて130万部、深夜0時からの発売開始ということで、書店前には長蛇の列をなすファンの姿とともにニュースなどでも取り上げられ話題となりました。

物語の概要をざっくりとご紹介すると、

離婚話が進む肖像画家である主人公が、自宅を離れて友人の父親のアトリエを借りて暮らすことになり、アトリエの屋根裏で『騎士団長殺し』というタイトルの日本画を発見することから、近隣に住む富豪や女子高生が絡んだ不思議な出来事の連鎖が起こる…。

といった、村上春樹が得意とする中年男性を主人公としたパラレルワールドを題材とした物語です。この『騎士団長殺し』は予想通りベストセラーとなり、村上ファンをはじめ多くの人たちに読まれました。

そして、往年の村上ファンなら気になった方もいたのではないかと思いますが、本作品の中で、これまでの村上作品にはあまり見慣れないある1つの言葉がありました。

その言葉は何かといいますと、「意に染まない」という言葉です。

この「意に染まない」という言葉、本作品中では何度か登場します。普段あまり耳慣れない言葉だけに、妙に心に残ったのですが、皆さんはいかがですか?

 

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「意に染まない」という言葉の意味は?

では、「意に染まない」とは、どういった意味なのでしょう。

「意に染まない」とは、

小学館のデジタル大辞泉によると、

・気に入らない
・気がすすまない

三省堂大辞林 第三版によると、

・その気にならない
・気がすすまない

という意味だそうです。

まぁ、「あまり乗り気じゃない」といった感じですかね。

では、「意に染まない」という言葉の意味はわかったところで、次に『騎士団長殺し』の中で、「意に染まない」という言葉が使われた箇所を見てみることにしましょう。

 

作品内で使われた「意に染まない」の出現箇所とその意図は?

『騎士団長殺し』の中で、「意に染まない」という言葉が使われた箇所がこちらです。

「たとえ意に染まない仕事であれ、実際に手を動かして何かを描いてみるのも悪くないかもしれない。」

「でもあなたは画作に入る前に、まずクライアントと会って話をする。意に染まなかった相手の肖像画は描かない、という話を耳にしましたが」

「そのような可能性もあるかもしれませんが、幸運なことに今のところ、そこまで意に染まない方にお目にかかったことはありません」

「人には大切なものを救うために、あるいは大きな目的のために、意に染まないことをなさなくてはならない場合がある」

時系列に並べてみましたが、1番目と3番目が主人公、2番めが免色氏、4番めが騎士団長の姿をしたイデアのセリフです。

このように『騎士団長殺し』の中では、「意に染まない」という言葉が4箇所現れ、少なくとも3人がこの言葉を口にしています異なる人がこの言葉をそうそう使うものでしょうか?なぜ今回この言葉が急に現れたのでしょう?

もちろん、このことを否定しているわけではありません。これまでの村上作品にはおそらく出てきたことのないこのフレーズが、『騎士団長殺し』の中では人を変え何度か登場したことに、何か特別な意味があるのかと深読みしたわけです。その意図は謎です。よほどこの言い回しを気に入っていて、ただ使いたかっただけなのかもしれません(笑)。あなたはどう思いましたか?

 

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「意に染まない」「意に沿わない」「意に添わない」の違いは?

「意に染まない」という言葉と似た言葉で、「意に沿わない」や「意に添わない」があります。この言葉の意味を知り違いについて見ていきましょう。

まず、

・「意に沿わない」の意味

「意に沿う」の否定形。「意に沿う」が「(相手の)意向に適う」とい意味なので、その否定形ということで、「意に沿わない」は「(相手の)意向・考えと合わない」という意味になります。

次に、

・「意に添わない」の意味

「意に沿わない」と同じ意味をなしますが、この場合、「添う」という言葉はあまり使わない方が正しいとか。そもそもは「意に副わない」と書いたそうです。

ということで、「意に染まない」と「意に沿(添)わない」とは、意味合いが異なるものです。

 

意外と知らない?知らないと恥ずかしい似て非なる言葉の例

ではここで、「意に染まぬ」と「意に沿わぬ」のように、一見似ているもののその意味は異なるといった「似て非なる言葉」をいくつかご紹介します。

青田刈りと青田買いの違い

・青田刈り
収穫前のまだ青い状態の田んぼの稲を刈ってしまうこと。ただ、この状態の稲には価値はなく、まだ実っていない状態の稲を刈り落とすことで、敵の食糧を減らそうとする策。

・青田買い
企業が優秀な人材を他社に取られぬよういち早くキープしようとすること。

よく、就職次期に見られる言葉ですが、「青田買い」と混同して「青田刈り」を誤用してしまうケースが多く見受けられます。注意したいですね。

一生懸命と一所懸命の違い

・一生懸命
命がけで何か物事を成そうとすること。全力をあげて何かをする様。切羽詰まった状態のこと。

・一所懸命
武士が一箇所(自分の領地)を命をかけて守るさまを表す。

もともとは、「一所懸命」という言葉があり、そこから派生して「一生懸命」という言葉が生まれました。なので意味合いはほぼ同じですが、今は「一生懸命」の方を使うことが一般的です。仕事など特定の物事に取り組む際は「一所懸命」を用いるのも間違いではありません。

おざなりとなおざりの違い

・おざなり
漢字で表すと「御座形」と書きます。主に芸者が、宴会などの御座敷の席で、表面的(形ばかり)に取り繕った言動をするさまを表すことば。心は籠もっていないが形だけそれらしい振る舞いをすること。

・なおざり
こちらは漢字で表すと「直(猶)去」と書きます。「そのまま何もせずに去る」という意味で、即ち、何もせずに放っておくことを表す言葉になります。

どちらもいい加減な対応を表す言葉という意味では似ていますが、「おざなり」は一応形ばかりでも対応するのに対し、「なおざり」の方は何もしないという完全放置という違いが見られます。

これらの似て非なる言葉は、漢字で書かれた意味を解釈すると、なんとなく本当の意味が見えてきますよね。日本語はなかなか繊細な言語です。なるべく用法を間違わず、正しく使いたいところです。

 

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